私たちのからだを覆っている筋肉は
身体を動かしてくれるだけでなく、
 
	- 代謝を良くする
- メンタルを安定させる
- 腸内環境を良くする
などなど色んな働きがわかってきていますが、今回は具体的に
1.筋肉合成の日内変動
2.筋肉を増やすための食べ方
3.筋肉を増やすための運動
4.筋肉つくるための栄養摂取方法
 
についての最新情報 by 抗加齢医学会
をシェアしていきます。
 
1.筋肉合成の日内変動
 
筋肉はいつどのタイミングで作られているのでしょう?
筋肉を構成するたんぱく質は、常に合成と分解を繰り返していますが、
一日の中でも変動があります。
 
どれだけたんぱく質がつくられているか
=(たんぱく質合成速度)ー(たんぱく質分解速度)
で決まり、これを
”筋タンパク質出納バランス”
 筋肉を合成するたんぱく質の代謝
筋肉を合成するたんぱく質の代謝
線:高齢者
(アンチエイジングにおける運動と栄養摂取の役割 藤田聡先生)
 
といいます。
食事、運動強度、年齢によっても変わってきますが、日内変動は
ざっくり
食事 → 栄養吸収 → 運動 → 筋たんぱく質合成 →たんぱく質分解 →食事
の順に起こります。
この筋肉の合成サイクルは加齢や糖尿病など身体の機能が低下することによって栄養を摂っても上手くいかなくなってきます。
 
2.筋肉を増やすための食べ方
よく、筋肉を増やしたければたんぱく質だけでなく炭水化物も一緒に取る必要がある、と言われますが
筋肉合成は若い人と高齢者では異なり、
 
若い人:アミノ酸+糖質 > アミノ酸
高齢者:アミノ酸 > アミノ酸+糖質
 
高齢者はアミノ酸メインの食事の方が筋肉合成が進みやすいことがわかっています。
アミノ酸は主にロイシンと
糖質を摂るとインスリンの作用で筋合成が進むのですが、
ロイシンもインスリンも体の機能低下と共に抵抗性(うまく使えないということ)が出てくるため
 
	- ロイシン抵抗性→たんぱく質の摂取不足で筋肉低下を引き起こす・・・より多くのアミノ酸が必要
- インスリン抵抗性→糖質をとっても上手く活用できない・・・有酸素運動によって改善が必要  
 
という対策が考えられます。
 
3.筋肉を増やすための運動
 
一般的にレジスタンス運動が筋肉を増やすことはよく知られていますが、レジスタンストレーニングによる筋肥大効果に最も重要なのは 
仕事量 (強度×回数)
最大筋力の70%強度を10回×3セットで筋力増強が認められています。
・・・なかなかきつい。
低強度の運動を回数こなしても同等効果が認められるのですが、かなりの回数こなさなければならず、今度はメンタルがきつい。。
自分のタイプを見極めてトレーニング方法を選ぶことが継続のコツですね。
 
また、最近ではエキセントリックトレーニングの効能についても様々な研究結果がでていますので、別記事で実体験とともにシェアしたいと思います。
また、運動後の経過時間とたんぱく質の合成速度についてはどうでしょう?
 1回の筋トレによる筋たんぱく質合成
1回の筋トレによる筋たんぱく質合成
(Phollips et al.AJP2006)
運動後48時間は筋合成が高い状態が続くことがこのグラフから読み取れます
→同じ部位の筋トレは週2,3回でもOKの根拠ですね。
ただしアスリートは一般の人よりも1回の運動による筋たんぱく質合成速度の維持が短いことがわかっており、アスリートは毎日運動をして維持することがパフォーマンス向上につながると言えます。
 
4.筋肉つくるための栄養摂取方法
 
1.たんぱく質の質 ロイシン含有量が筋肉合成に影響する
2.1食での摂取量 1回で合成できる筋肉量は限られている
3. 朝食の重要性
 
1.ロイシン含有量の多い食事ランキング
プロセスチーズ
ヨーグルト
牛乳
木綿豆腐
和牛サーロイン
豚ロース
全卵
豆乳
糸挽き納豆
 
乳製品については耐性や腸内炎症も懸念もあり摂りすぎはどうかと思いますが、なるべくグラスフェッドの牛さんを選んでご自分の腸と相談して摂るといいですね。
豆腐・豆乳も毎日はお勧めできませんが、偏らずバランスの取れた栄養摂取で筋肉を増やしていきたいですね!
その他、気になる事項忘備録がてら記載しておきます。
 
・ソイ VS ホエイについての報告
運動中のたんぱく質合成は同等だった
運動後はホエイが優位に高かった
 
・一回のたんぱく質摂取量について 
0<20<40g/kgの順にたんぱく質合成が上がった。
 
・・とはいえ、一食40g/kg以上は頭打ちになるので、
闇雲にたんぱく質を取るのでなく、毎食のたんぱく質摂取量を自分の体重からおおよそ決めるといいと思います。
・たんぱく質合成速度のピーク
若年者 0.24g/kg 高齢者 0.40g/kg
お年寄りほどたんぱく質をしっかり取らないといけない根拠ですね。
・若年者では朝食にたんぱく質を加えることで筋トレ効果が増大した
これは、世界的見ても朝食で摂取するたんぱく質量がほとんどの人で不足しているためと言われています。
私は朝からお肉はきついので、卵、スモークサーモン、鶏ハム、豆類などを出し汁、野菜と共にローテーションしています
以上、抗加齢医学会の勉強会アップデートでした。
 
本日もお読みいただきありがとうございました!
Shie